わたくしは以前、期間としては1年半程、法人として2年目・農家としては数十年(50年は超えてる)の法人農家に就農していました。
地域の方々の所有する田畑を借りて作物を作り、主にJAに納品するというスタイルで、規模は大体140町くらいだったかと思います。
従業員数は自分を入れて常駐が5人、繁忙期は15人くらいで、+社長という感じ。(社長は繁忙期にちょっと手伝う)
そこで体験した「?」と思ったことやありがたかったことを今回はつらつら紹介しようと思います。
目次
悪かった点
農薬がきつい
規模が大きくなればなる程、農薬をバリバリ使うと思うので、体調や健康被害は覚悟しないと正直辛い。農薬を撒く時はガスマスクを使用しないといけない程しんどい。スケジュールは自然任せ
大まかなスケジュールがあるにはあるが、当日の作業は最終的に天候に左右されるので、急な出勤・休暇は当たり前。繁忙期の休みの日は大体雨。この辺りは規模の大きな農家なら人を交代させて回せばうまくいくような気がするが、如何せんできたばかりの法人農家でしたので、人がおらず、行き当たりばったり感がすごかった。
勤務時間も人それぞれ。
農薬散布担当になると、風のあまり強くない午前に撒かないと近所からクレームが来たり、上手くかからなかったりするので朝5時出社なんて事も普通。
その代わり午後3時頃には帰宅できるので…って言っても疲れ果てて寝るだけだけどね!
良くも悪くもゆるい
一応自分は社員だったのだが、経営陣は身内のみだったので、提案や意見をあげても99.9%くらいは通らない、というか話さえ聞いてもらえない。身内は遅刻しようが、朝礼に出まいがお咎めなし!w法人って何…?(遠い目)
自営のときの名残で休憩時間という名のお茶の時間がものすごい長かった。大体15分そこらでしょ?いえいえ。1時間なんて普通です。それはさすがに1年後くらいに廃止されてしまったが。。。今考えるとゆっるいなーと思う。
自分は働きたくて農家に来たので、休憩時間がどうしてもつらかった。廃止された時は心底嬉しかったのを覚えている。
良かった点
ストレスが少ない環境
作業自体は自然相手なので気分はとても楽。8割以上が外仕事なので季節の移り変わりを肌で感じられる。何というストレスフリー。白髪が減ったよまじで。おすそ分けがすごい
お米も作っていたので、毎月1、2人なら食いつなげるだけのお米がもらえた。そういや農薬いっぱい使ったなーあははは…と思いつつも、そんなことは彼方に放り投げ、お米をありがたく頂戴したのだった。つくづく現金なヤツですよね。私。
さらに近所の人が野菜を分けてくれることもあった。まじで助かる…!
資格をとらせてもらえる
大型特殊免許を取らせてもらえた!中々取れる機会がないのでラッキー!あとリフトも。そういや農業ナントカって資格も…あ、これは絶対いらんやつだな。余談
なぜ農薬を使うのか
規模の大きな農家、法人農家はJAに卸す事が大半。そこでは「規格」が存在する。規格に合わないと売れないのだ。規格に合わせる為にどうするか。
病気にならないようにする、虫・鳥等に食べられないようにする。それを簡単に出来るのが農薬。
たくさん作ろうとすればするほど農薬に頼らざるをえなくなるのだ。
農薬を使わないとなると、例えば虫に食べられないように手でとったり、トラップを仕掛ける等方法はあります。
小規模ならそれで全ての面積を補えるかもしれません。しかし、何百haもある畑全ての虫を手で捕らえきれますか?
もしかしたらたくさん人を雇えばできるかもしれません。が、現実的ではありません。
さまざまな理由で、農家はお金を稼ぐ為に、規格に合う作物を大量に作らなければならないのです。
スーパーを見ると一目瞭然、本当に綺麗な形の野菜たちがいます。虫なんか全くと言っていいほどみませんよね?
日本の消費者は神経質すぎて怖いくらいです。虫一匹出ようもんならすぐクレーム。
虫がいるということは農薬が足りなかったか、掛け方が悪かったか、使っていないかです。
つまり綺麗な野菜ってそういう事なんですよね。
もちろん、農薬使用には基準がありますし、規定値以内なら健康被害は無いとされます。
残留農薬検査もされているはずです。
安心、安全ってなんなの?wって思っちゃいますけどね。
まとめ
全ての法人農家がこう、というわけではもちろんありません。私が勤めたところができたでほやほや法人だったので多分色々整ってなかったのだと…(思いたい)何にせよ、入る前と入った後のギャップなんてどんな会社でもあるわけなので、どこかで妥協すればいいのかもね。
(わたしは絶対ムリだけどな!)