土についての考察①

2020-11-17

土壌 読み物

B!

私たちは野菜を作り収穫し、調理し、食べて自らの栄養としています。

野菜達は根から土壌の栄養を摂取し、大きくなり、実をつけます。

では私たちが収穫した野菜(実)を取ると土壌の栄養はどうなるのでしょうか。
答えは簡単。何もしなければその土地はただ痩せていくだけです。

実際、自然の中では、野菜や実が動物に食べられたら、フンの中の種が子孫を増やし、動物たちは老いれば地に還り土壌の栄養となり循環しています。

まず人間はこの摂理から外れたことをやっているのだ、という事を念頭に置かなければなりません。

そのうえで、どうしたら環境の害にならず、いい野菜や果物が作れるか考えることが大事だと思います。



土壌の必要性

「水耕栽培」「溶液栽培」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。
これはすべて土壌を使わない、つまり、土に種をまかず野菜を育てる方法です。

かなり注目を集める栽培方法です。TVで特集されているのも見かけます。

土がいらないんだから簡単そう!とか、狭いスペースでもたくさん作れる!とか思いますよね。
私もそう思っていました。

では、そもそも、植物が生長するために必要な物って何でしょうか?

まずは「光」「水」「養分」ですよね。
あとは温度や栽培スペース、空気、微生物や病原菌の密度、害虫の少なさなどです。
こうして挙げてみると意外と多いですよね。

実際、水耕栽培などの施設栽培(植物工場)は、そのほとんどをプログラムで管理しています。
この設備にはかなりの額の投資が必要です。
(最近では徐々に金額も下がってきてはいるようです。2020/11現在)

土壌で栽培する、という事はこの管理を土壌が行うという事です。
(土壌≒植物工場の管理システム)

土壌の中には微生物や動物が生息し、その動物たちもまたお互い助け合いながら間接的に栽培に寄与してくれているわけです。

植物栽培に関しての知識が豊富にあり、システムメンテナンスができる人材があれば植物工場的な栽培をしても良いとは思います。

が、土壌が植物にとってどういう役割を果たしているのかを知ると、野菜作りもより良いものになると思います。
私たちが土壌をよりよい環境にすることで、植物がよりよく、健康に育ってくれるわけです。

pHと塩基

野菜を育てるとき、まずpHを気にすると思いますが、なぜpHが重要なのか理解していますか?

多くの植物は根から土壌の中の水分に溶けた栄養を(最終的にはイオンとして)、自身が持つ水素イオンと交換という形で吸収します。
特に必要なのは「窒素」「リン酸」「カリ」、さらに「石灰(カルシウム)」「苦土(マグネシウム)」も必要です。

これらを、作物が吸収しやすいバランスにしたとき、目安となるのがpHと塩基の割合というわけです。

ちなみに塩基とは、酸と対になって働く物質のこと。
ここでは「石灰」「苦土」「カリ」に当たります。

土壌の成り立ち

これまで「土壌」という言葉を使ってきましたが、「土」と「土壌」って何か違いがあるのでしょうか。

実は厳密に違いはないのですが、農業的には、
”「土」に生物の遺体やその分解物(つまり有機物)が混ざったもの”
を土壌ととらえているようです。

「土壌とは、耕作に適した土」という事になります。


そんな土壌ですが、どんなふうにできるか想像したことありますか?

ものすごく簡単に説明すると、

土壌のもとは岩石です。
そもそもは火山が噴火してマグマが冷えて固まったものや、
木などが化石化したものからできた岩石が、風化・浸食などで徐々に砕かれ土となり、植物が根づき、動物や微生物が集まり、土壌となります。

地面の下の方や山って大きな石や岩がゴロゴロしてますよね?
土壌の成り立ちを考えるととても自然な事だったんです!

ちなみに、
鉢植えをしたことがある方はご存じかもしれませんが、鉢の底に石を敷きますよね。(鉢底石)

私はいつも、鉢の中ってまるで地球を再現してるみたい…!
と思いながら鉢植えしてますw。
本来は水はけをよくする、などの目的ですが、そう考えるとちょっと楽しくなりませんか…?(私だけ(;'∀')?)

土壌の種類

土壌にもいろいろあり、出来方などで性質が大きく変わってきます。

日本は雨が多く、アルカリ性ミネラルが流れやすく、酸性に傾きやすい、栄養の少ない土壌が多く、野菜作りには向いていないと言われています。

が、外国の土と比べると柔らかく、根づきやすい為、不足している栄養を補えば野菜作りに適していると言えます。

関東の台地などは火山灰からなる「黒ボク土」が多く、西日本や南西諸国では「赤色土」、「黄色土」といった、広葉常緑樹林からなる土壌が多いなど、日本国内でも地域差があります。

自分が住んでいる場所の土がどういう特性を持っているのか、一度調べてみるのも面白いかもしれません。

詳しい土壌分類はまたの機会に。



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