①はこちら 必要なスキルとして①にある通り、簿記の知識はなるべくあった方が良いです。あとはGAS(もしくはVBA)がある程度わかっている事。なんとなーく知ってれば(おそらく)大丈夫かなぁ…
どんな処理が必要か考えてみる
前回①の中で必要なシステムの洗い出しをしました。大体こんな感じ。・簡単な入力で仕訳帳が自動で出来上がる。ついでに総勘定元帳が出来上がる
・固定資産管理も簡単にできる
・PDFでバックアップができる
・ありとあらゆるついでに青色申告に必要な書類も出来上がる
で、作業者的に必要な入力は
・新年度開始
・仕訳入力
・決算書作成
・固定資産の追加・削除・減価償却費の計算
・あとはバックアップとか(決算書と統合してもいいかも?
・テスト用に全クリアボタンも欲しい
くらいでしょうか?
それから、テンプレートとして
・仕訳帳
・総勘定元帳
・出納帳
・固定資産台帳
・経費帳
・買掛帳/売掛帳
・損益計算書
・貸借対照表
を決めます。テンプレはぶっちゃけ自分の好きな物で大丈夫です。ここでは一例として掲載します。(2023年度の確定申告に通過したものを載せておきます)
一つずつ仕様とインターフェイスを決めてみます。
全体像と流れを確認する
まず全体像を考えてみました。 (ソフトっていうとなんか大袈裟だな…)なんとなくのイメージは掴めるでしょうか?
テンプレートも一緒にしたらいいんじゃね?って思うかもしれませんが、会計システム内に勘定項目ごとのシートが作成されまくるので分けています。なんならそれ(勘定項目ごとのシートや仕訳帳など)すら分けてもいいかもしれません。中央はシステムのみとか…いいかも…と思えてきた。いや、なんなら非表示でもよくね?とか?
まあそれは各々やってもらうとして、今回はこれで行きます。
流れとしては、中央の会計ソフトで操作→必要なシートをテンプレSSからコピーして作成→決算時には指定フォルダにPDF化&バックアップって感じで。
テンプレートの準備
簡単なテンプレートの作成から着手しちゃいます。必要なシートはどんな処理が必要か考えてみるで挙げた通りです。新しいスプレッドシートを任意の場所に作成してください。
とりあえず一気に出しときます。
セル結合否定派の人は結合せずにどうぞ。シート名は自分が扱いやすい名前にしてください。自分は「xxTmp」にしてます。 ↑固定資産台帳
メインシステムのインターフェイスを考える
とりあえず「会計システム」というスプレッドシートに「main」と「define」と「list」シートを用意します。◆main(名前はお好きに) 2行目「テンプレートID」には前項で作成したテンプレートをまとめたスプレッドシートのIDを入力します。
3行目「pdf保存先ID」にはPDFデータを保存するフォルダのIDを入力します。
※IDはアドレスバーのd/以降の文字列です。
5行目「グループ名称」には屋号などを入力します。
6行目「現在は~年度です!」には入力する年度を西暦で入れておきます。
7行目「新年度開始時」には新年度を開始する際に実行する手順を個人的にメモしています。
※メモの内容は【事業主借と事業主貸を元入金で清算】って書いてますwこの処理を「新年度開始」ボタンを押した際の処理に追加してもいいかもしれません。
7行目「口座情報」は自営業用の口座、個人口座等の情報を記述します。なんか場所が微妙ですね…w口座を増やせるようにdefaultシート内で管理するようにしても良いかもしれません。
9~23行 仕訳入力 C11:収入・支出・振替を選択できるようにしています。
C13:家事按分については収入と支出についてのみ使用します。振替の場合は諸口があり得るのでちょっと難しいかなと思ってます。(なのでE20に按分計算できる項目を追加してます。ここは単純にC13で入力した値を元にF20と掛けてG20に出力しているだけですw)A13には自分の家事按分ルールをメモしているだけです。
C15・E14~18・G14~18:勘定科目を選択できるようにしています。勘定科目の一覧については「default」シートにまとめます。
C16:取引手段は「現金・預金口座・クレジット売掛・クレジット買掛」を用意しています。その他が必要な場合は追加してください。
C18・H12:取引先については売掛帳・買掛帳を分ける目的で使用します。一覧は「default」シートにまとめます。
24~36行目 固定資産管理 C26:「管理番号」は自分が固定資産に割り振っているIDをいれます。お好きに。
C27:「種類」には「default」シートで固定資産として管理する勘定項目を指定するようにしてそこから値を引っ張ります。
C35:「耐用年数」は固定資産の種類によって決まっているので、調べてみてください。私が参考にしたのは国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」という資料です。
F26~J30:減価償却を計算するメモスペースです。J列は減価償却が終了しているかどうかのチェック欄になっています。(なんで選択式にしたんだっけ・・・?w)
ちなみにA列の追加~とか書かれているものは「追加」の処理に必要な入力項目、みたいな自分用メモです。。。
38~52行目 決算書・バックアップ ①~⑦までのメモは手作業で行う決算処理手順です(完全に自分メモ…)
減価償却費計算ボタンを作成せずに決算書作成でまとめてやっても良いかもしれませんが、内部処理的にむずかったので分けました。できそうな人は是非チャレンジしてください。そして私にもこっそり教えてくださいww
54行目以降 計算用・バックアップ時用パラメータ これ以降はシートを追加すると自動で項目が増えていくリストになります。計算用に保存しておきたい値やバックアップ時に利用するパラメータを用意しています。
A54にはどのパラメータが何に利用されているかのメモです(総勘定元帳:貸方最終更新日 / 借方合計 / 貸方合計
損益のみ:prm3 純利益 prm4 純損失
売買掛帳:買残高 / 貸方合計 / 売残高 / 借方合計
損益計算書・貸借対照表:費用・資産 / 収益・負債・純資産
固定資産台帳:原価 / 残金 / 残数量)って内容になっています。すごい個人的なメモです。
灰色で塗られた仕訳帳・現金出納帳・預金出納帳は固定でここに入力しておきます。(管理しやすいので)
年度が更新される際にもこのパラメータは引き継いで利用されます。
◆define(名前はお好きに) A列:B列以降のIDを識別する物として利用しています。
B列:C列に自分が使用するであろう勘定項目を入力しているのですが、重複が無いかのチェックをしているだけの列になります。内容は単純で、入力された値の個数を(=COUNTIF(C:C, C2)※C2の場合)で数えているだけです。
C列:「なし」という勘定科目を必ず追加してください。自分が使用する物だけで良いかと思います。
D列:その科目をどう処理するかの判定用です。結局いろいろ試案して以下のようになりました。 で、自分がとりあえず用意したのは、
【資産】(現金・預金口座・受取手形・売掛金・商品・建物・機械装置・車両運搬具・土地・ソフトウェア・関連会社株式・その他有価証券・事業主貸・繰越商品・仮払消費税・備品)
【-資産】(建物減価償却累計額・機械装置減価償却累計額・車両運搬具減価償却累計額・備品減価償却累計額)
【資本】はなし
【負債】(支払手形・買掛金・未払い消費税・未払い法人税・未払い費用・長期借入金・事業主借・仮受消費税)
【純資産】(繰越利益余剰金・その他有価証券評価差額・新株予約券・元入金)
【収益】(売上・受取利息・雑収入・固定資産売却益)
【費用】(開発費・仕入・賃金・給与・地代家賃・租税公課・広告宣伝費・接待交際費・支払利息・固定資産売却損・消耗品費・新聞図書費・車両費・材料費・修繕費・水道光熱費・通信費・旅費交通費・荷造運賃・前払費用・外注費・支払手数料・保険料・雑費・法定福利費・寄附金・減価償却費・修繕積立金・開業費・専従者給与・貸倒損失・資材代・医療費)
【その他】(諸口・なし・売上原価)
【損益】(損益)
マジで必要な物だけでいいです。諸口・なし・売上原価・損益・現金・預金口座は必須かな?あと固定資産関連。科目なんてどんどん増えるし、自分である程度括れるはずなので、その辺は臨機応変にやってください。
E列:経費として扱う勘定科目をリストにしています。
F列:仕訳時に追加した勘定科目をリストにしています(ここは自動入力になるので空欄)
G列:取引先は各々でどうぞ
H列:固定資産として管理する勘定科目をリストにしています。
◆list(名前はお好きに) 固定資産を管理するシートです。開始年度は変更してください。
まとめ
とりあえず、テンプレートとインターフェイス部の準備をしました。疲れましたねwこれはあくまで一例なので、参考程度にして欲しいです。こうすると(一応、それっぽいものは)作成できますよ~というコーナーなので、悪しからず。
次回はついに中身に突入します!つづく!